今月の勉強会⑥~予防歯科~

今回講師としてお招きしたのは鶴見大学の教授で予防歯科学の第一人者で在らせられる花田信弘先生です。

花田先生は歯を削ったり歯肉を切ったりする外科的要素が強い歯科の現状を見直し、病気にかかる前に生活習慣や食習慣を変え予防を心がけようという予防医学を推進していらっしゃいます。

予防というと歯磨きが一番最初に浮かんでくることが多いと思いますが、それだけでは徹底した予防とはいえません。

歯磨きは最低限の生活習慣であり、口腔内の多用な細菌を駆除するためにはプロフェッショナルなトリートメントが必要です。口腔内は生体で最も多用な菌層のあるところで、その細菌の種類は腸管より多いとされています。その多用な菌が歯面に何層にも重なっているのですから、人間の手だけではとても対処しきれません。

定期健診でクリーニングを行えば一時は減菌できます。しかし時間がたつと唾液の粘性をもとに再び菌層が折り重なってくるわけです。

そこでプロフェッショナルトリートメントの際に薬液で口腔全体を消毒します。消毒液はそのままでは唾液とともに流れてしまうので、マウスピースを用い無駄なくムラなく塗布できるようにし、そのまま数分おきます。このように徹底除去することで、一時的な減菌より良好な予後が期待できるということです。

今まで歯肉を切るのに抵抗があった方もこれで切らずにすむかもしれませんね。

当院でも取り入れていきたいと検討しております。

Jellyfish

 

 

masuishika 焼津市 和田の歯医者さん

静岡県焼津市田尻330 増井歯科

今月の勉強会⑤~接着技術の応用~

今回は臨床家として実績のあるわれらが柏田先生です。

柏田先生は主に接着技術を駆使した臨床を得意とされています。接着は以前宮崎先生の回でもとりあげられていることもあって、近年注目されている分野のひとつです。分野により得意不得意はありますが、接着に関しては日本は世界でも最先端といえるでしょう。
接着技術が発達するとどのようなメリットがあるのか。ただ被せ物をくっつけるだけが接着技術ではありません。今まで諦めなければならなかった歯の破折やら亀裂を接着させ、できるだけ長持ちさせることもできるのです。もちろん個体差はありますしどのくらいもつかは個々の生活習慣にもよりますから何とも言えませんが、この技術のおかげでかなりの歯が助かるといえるでしょう。

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静岡県焼津市田尻330 増井歯科

今月の勉強会④~痛みの診断~

先日痛みの診断についての勉強会がありました。講師の先生は日本でも数少ない頭痛学会専門医で、清水で診療されている井川雅子先生です。
歯の痛みには、歯が原因のものとそうでないものがあります。歯が原因の場合でも激烈な痛みを伴うこともありますが、脳神経が原因で電撃をうけたようなとてつもない痛みを引き起こすこともあります。あまりの痛さに歯が痛んでいるような錯覚を起こすことも考えられるため、正確な診断が必要です。

 

    この診断はどこでもできるわけではなく専門性が高いため、ペインクリニックの中でも頭部に特化した病院にかかることをお勧めします。

歯が痛いと感じても実は脳神経が原因だった、心臓が原因だった、ということもあるため、歯科医院としては歯が原因か否か、の判断を正確にし、それ相当の専門医院に紹介する必要があると考えています。

 

masuishika 焼津市 和田の歯医者さん

静岡県焼津市田尻330 増井歯科

今月の勉強会③~根管治療~

5日の日曜日、都内御茶ノ水にて恒例の勉強会が行われました。

今月の講師の先生は、都内で根管治療を専門に自費で治療を行っている吉岡先生です。吉岡先生は東京医科歯科大学を卒業後、アメリカへ留学し研究してこられた非常に優秀な先生です。先生の実習つき講演を聞ける機会はなかなかないので楽しみにしておりました。

rct-02 根管治療とは、神経を抜く・根っこの中を掃除する・根っこに詰め物をする、など根っこの治療の総称です。一般的に頻繁に行われている治療なので聞いたことのある方も少なくないと思います。

根っこの治療はベーシックで地道な作業ですが、怠るとその歯の予後に大きく関わるので慎重に進めていきたい分野です。

今回の講演では効率よくリスクの少ない治療法を実習形式で教えていただきました。

近年技術材料の進歩により様々な新製品が開発されていますが、効果が不確実だったりリスクを伴うものだったりなかなか安心して使えるものは少ないのが現状です。先生は新製品に飛びつくことなく、自身の手指の感覚をたよりにオーソドックスにかつ確実に行うのが一番いいとお考えのようでした。確かに昔から使われている方法は結果も十分でていますから安全ですね。安全な器具をどういう順番で使っていくかで理想的な根管をつくれるかどうかに影響すると、先生の技術を目の当たりにし思い知らされました。

根っこの治療は見えないところを探る治療ですから、形や状態を想像しながら根気よくやるしかないのです。

ベーシックな治療こそ今回のように見直す機会が必要だと感じました。

 

masuishika 焼津市 和田の歯医者さん

静岡県焼津市田尻330 増井歯科

今月の勉強会② 続き

ところでマグネットは入れ歯と歯を+-にして磁力をつくりだすのですが、歯に磁石を埋め込むということは常に体内で磁場を発生しうるということです。

入れ歯を外しても、なにか磁石に替わる環境のなかにいれば自然に磁場をつくりだしてしまうのです。

例えばMRI、磁石の原理を応用して体内を分析する検査なので、口の周りに不要な磁場が発生してしまうのは免れません。

しかし口から脳・脳幹までは距離があるので、マグネットから発生する磁場は検査には影響しないということです。マグネットのような微量な磁石は磁場を起こしても5cm前後なので

重要な臓器までは届かないですね。これで安心してお勧めすることができます。

高齢者-歯医者

近年は歯を抜いたあとインプラントを選択される方が少なくなってますので、まだまだ部分入れ歯の需要は増えてくると思います。なるべく自然に違和感なく、少しでも天然歯に近い噛み心地を追求する

ため材料も進歩しています。ただ歯を抜かなくてもいいに越したことはないので、歯周病治療は必須ですね。マグネットを使用するにしても、マグネットを支える歯が健康であることが条件なので、生涯

口腔衛生は保っていく必要があります。

 

 

masuishika 焼津市 和田の歯医者さん

静岡県焼津市田尻330 増井歯科

 

 

今月の勉強会②~マグネット入れ歯~

19日の日曜日、恒例のスタディグループの勉強会がありました。

今回のテーマは部分入れ歯の設計から調整まで、マグネットを使用した部分入れ歯について、などでした。

お招きした先生は日本大学歯学部補綴科の石上友彦教授です。私が在学中も直接指導を受けたので思い出深い先生です。

石上先生は臨床実績が豊富で、どの材料をどう使うと効率がいいか、強度が上がるかなど、どんなに小さいことでも実験して立証されており、常に理にかなった臨床をされているんだなと実感しました。

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例えばこのようなバネを使った入れ歯、バネの形も色々なものがあり、必ずしも2つのツメがなくともどこか引っかかりを探してうまく利用し、なるべく金属が目立たないようにすることも可能だということです。入れ歯が割れたときは、修理に使う材料を適度に加熱・加圧すると強度が2倍弱になるということも実験で証明されてました。

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そして入れ歯の中に磁石を埋め込むという教授一押しの方法、やはり固定される力が格段に上がるようでほぼ全ての方に喜んで使ってもらっているとのことでした。

入れ歯の痛みは不要な力が加わり揺さぶられることでおこるので、横揺れを最小限にとどめることで痛くない・噛める入れ歯が実現するということです。

当院でも以前から取り入れていましたが、改めてデータや臨床例を見るとやはりいい物はいい!と実感しました。

         ~続く~

 

masuishika 焼津市 和田の歯医者さん

静岡県焼津市田尻330 増井歯科

 

今月の勉強会①~白い修復治療~

18日、当院が所属しているADCスタディグループの勉強会がありました。

今回のテーマはCR(白い詰め物)、セメントの接着様式について、というのが主な内容でした。

講演してくださった先生は我々の母校、日本大学歯学部駿河台の保存修復科教授・宮崎真至先生です。宮崎先生はとても有名な先生で、CR修復の第一人者であります。数々の講演をされて雑誌でもよく掲載されているので、顔を知らないドクターはいないんじゃないかと思います。

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さて、CR(白い詰め物)についてですが、以前に比べると格段に進歩しています。以前は銀の詰め物でしかできなかった症例もCRで無理なく修復できるようになりました。

最近はCR本体よりボンディング(接着剤)の進化が目覚ましく、幅広い種類の修復が可能となりました。簡単にいうと、金属やら陶材やらプラスチックやらいろいろな材料が混ざっているところにも、あらゆる

材料に接着できるボンディングが開発されたということです。

当院で使用しているボンディングは偶然にもユニバーサルタイプ(万能接着剤)でした。

宝の持ち腐れとならないよう、これからもどんどん多用していきたいと思います。

 

masuishika 焼津市 和田の歯医者さん

静岡県焼津市田尻330 増井歯科